Rhapsody in Love 〜幸せの在処〜
まるで遼太郎の心の中を読んでいるような、佐山の言葉。それは、遼太郎が自分に言い訳をして、逃げ込みたくなる場所のようなものだった。
だけど、遼太郎の後悔はあまりにも大きすぎて、どうしても佐山の言うようには思うことができなかった。頷きもせず、唇を噛んで思いつめた目をするばかり。
今は、どんなふうに佐山に励まされても、遼太郎の心に立ち込める黒い雲は消えることはなかった。
そのコーヒーショップでしばらく待った後に、由加里が戻ってきた。
「怪我をして入院してるって聞いたから、きつくない楽なブラがいいと思って、ハーフトップにしといた。これなら、サイズも厳密じゃなくていいし。」
由加里の機転に、遼太郎も「なるほど」と納得する。
「ありがとう。ホントに助かったよ。」
と言いながら、遼太郎は心から感謝し深々と頭を下げる。由加里は、自分に向けられた優しげな笑顔を見て、ほんのりと頬を赤らめた。
「他にもパジャマとか、普通の服とか必要なんじゃない?よかったらそれも、私が買ってこようか?」
しかし、そんな由加里の好意に、遼太郎は首を横に振った。
「気持ちはありがたいけど、それは自分でなんとかするよ。早く買い物済ませて病院へ戻りたいから、それじゃこれで。」
心の中の焦りは極力見せないように、遼太郎は爽やかな笑みを残して、風のように二人の前から姿を消した。