Rhapsody in Love 〜幸せの在処〜



 遼太郎の余韻に浸る由加里に、佐山が釘をさす。


「……お前、言っとくけど。遼太郎は彼女がいるんだからな。」


「はあ?!なにバカなこと考えてんの?」


 由加里は形相を変えて否定したが、変なことを勘ぐられて、途端に顔が真っ赤に変化した。


「ボーッとして、見惚れてたくせに。」


 しかし、その佐山の指摘は事実なだけに、由加里は苦し紛れの言葉を放つ。


「晋ちゃんみたいなブサイクばっか見てると、狩野くんがすっごくイイ男に見えるんだから、しょうがないじゃない!」

「…おまっ!誰がブサイクだって?!そんなこと言うの、お前だけなんだからな!」

「ハイハイ。チャラ男の晋ちゃんは、相変わらずおモテになるようで。」

「俺は、チャラ男じゃねーよ!!」


 佐山の語気が荒く大きくなると、由加里は〝あっかんべー〟をしながらコーヒーショップから走り去った。


 残された佐山は、店内の注目が自分に集まっているのを感じ取り、小さくなって座っていた椅子に再び腰かけた。


 もう大学も三年生になるというのに、由加里とは小学生の頃からずっとこんな感じだ。なんでも気兼ねなく話せる反面、鋭く真実を突くこともあれば、言い過ぎてしまうこともある。そして、大概ケンカになる。


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