Rhapsody in Love 〜幸せの在処〜
それでも、そこに恋愛という駆け引きや損得感情を持ち込まない由加里は、佐山にとって誰よりも信頼の置ける女子でもあった。
由加里が言っていたように、いつでもとてもモテる佐山。だけど、佐山に近づいてくる女の子は、恋愛が破綻すると同時に他人よりも遠い存在になる。
ましてや、心底〝いい子〟だと思っていた陽菜の本性を知って、佐山は女というものが本当に分からなくなり、そこに不信感が生まれた。
ただ、遼太郎が羨ましかった。
もちろん今は、大変な状況だとは思うけれど、あんなに一途に一人の女性(ひと)を想い続けられるなんて……。あんなに自分の想いを信じて疑わないなんて……。
遼太郎が〝彼女〟を愛するように、自分も誰かを愛してみたい……。それは佐山の、切なる願いでもあった。
遼太郎がみのりの物の買い物を済ませて、病院へと向かうことができたのは、もうお昼過ぎになってしまっていた。
朝からずいぶん時間が経ってしまったので、みのりの容態が気になりながら病室へと急ぐ。
夜の病院と違って昼間のそれは、とても明るくて賑やかで、遼太郎の張り詰めた気持ちも少しほどけていく。みのりがそこで待っていてくれると思うと、心が逸った。
病室のドアをノックして、みのりは眠っているかもしれない…と思いながら、返事を待たずに引き戸を開ける。