Rhapsody in Love 〜幸せの在処〜
今はただ、愛しい人の一挙手一投足を眺めていたかった。今まで会えなかった分、これからも離れていなければならなくなる分、一緒にいられるこの短い間の遼太郎のすべてを、記憶の中に留めておきたいと思った。
「さあ、できました!」
遼太郎がそう言ったのは、作り始めてから二時間が経つ頃だった。いつもより気合を入れて作りすぎたのか、思っていたよりもずいぶん時間がかかってしまっていた。
しかし、みのりは待ちくたびれた素振りなど見せず、居間のローテーブルに並べられた料理を見て、目を輝かせた。
「すごい!!遼ちゃん!ここまで上手になってるなんて、びっくりよ!!いいお婿さんになれそうね!!」
料理の出来栄えに感激しているみのりの、その言葉の一部分に遼太郎は反応してしまう。
「……お婿さんって……。」
――俺を、先生の〝お婿さん〟にしてくれるんですか?
心によぎったその思いは言葉にならず、遼太郎は顔を赤らめながらみのりの向かいに座る。
「冷めないうちに、食べてください。」
みのりはニコニコと嬉しそうにうなずくと、右手だけの合掌をして箸を取った。
そして、みのりがハンバーグを切り取って口に運ぶ…。その様に、遼太郎は我を忘れてうっとりと見入ってしまう。