Rhapsody in Love 〜幸せの在処〜
「さすがにこれは、買ってきたんじゃなくて、佐山の家のを借りてます。」
と言っていたが、たった一日でここまで用意するのは、ずいぶん大変だったに違いない。
こんなところも、〝なんでもやってもらって当たり前〟だった高校生のときとは違って、成長したところだった。
それとも……、みのりを愛しいと思えばこそ、その想いがここまで遼太郎を駆り立てたのだろうか。
みのりはベッドに寝かせられ、遼太郎はフロアのラグの上に布団を敷いて、それぞれに横になる。遼太郎はみのりの体を気遣って、いつもよりも早めの就寝だった。
「おやすみなさい。」
挨拶を交わし、明かりが消えると、みのりも傷を負った左腕を庇うように、遼太郎のベッドにそっとその身を横たえた。
こうやって、普段遼太郎が使っている寝具に包み込まれていると、遼太郎に抱きしめられているような気持ちになる。
だけど、遼太郎はここにいる。遼太郎の枕に頭を預けるみのりの視線の先に。
それを欲しているのなら、気持ちになるだけではなく、本物の遼太郎に抱きしめてもらえばいい……。
そういえば、陽菜が訪れる直前までは、このベッドの上でキスをして、まさにこれから抱き合うところだった。
あの時の遼太郎は、自分を抑えられないほどだったのに、今日このアパートに帰ってきてからは、みのりに触れようともしない。