Rhapsody in Love 〜幸せの在処〜
「さあ、できましたよ。」
いい匂いとともに、みのりがホイル焼きが載った皿を運ぶと、小さなローテーブルの上には美味しそうな料理が並んだ。
夕食を食べながらも、二人の会話は途絶えることはなかった。この料理の作り方、遼太郎の就職活動のこと、遼太郎の弟の俊次のこと。それから――。
「明日のことなんだけど、三時すぎの飛行機に乗るから、抜糸しに病院に行くのは、午前中になるね。」
みのりがこの話題を持ち出すと、それまで楽しかった空気が、一気に消沈した。
寂しさを紛らわせるように遼太郎は、目の前にある食べ終えた食器を重ねて、キッチンへと運んで片づけを始めた。みのりも同じように運ぼうとすると、
「……先生は、座っててください。」
と、遼太郎がみのりの分の食器も持っていってしまった。
キッチンに立つ遼太郎をこうやって眺めるのも、もう何度目だろう。もう明日には、二人でいられる時間も終わってしまう……。
この貴重な時間を、どんなふうに過ごしたらいいのだろう?心の中にあるものをすべて覆い隠して、楽しく過ごすことに徹するべきなのか。それとも……。
「遼ちゃん、ちょっと今日は、シャワーを使わせて。」
遼太郎のキッチンの片付けが終わる頃、みのりがそう言いながら立ち上がった。