Rhapsody in Love 〜幸せの在処〜
「…え?大丈夫なんですか?」
遼太郎が眉をひそめる。退院するときには、傷口を濡らさないようにするために、シャワーは控えるように医師から言われていた。
「もう抜糸するんだから、大丈夫でしょ。それに、ちゃんと髪だって洗いたいし、体を拭くだけじゃ、さすがに気持ち悪いの!」
医師からの注意を守って、これまで遼太郎が買ってきてくれていたドライシャンプーや拭き取り用のローズウォーターなどで凌いできていたが、もう限界だった。
みのりはキッチンを片付けている遼太郎の背後で服を脱ぎ、浴室へと足を踏み入れる。
湯温を調節して、シャワーの滝の下に体を置くと、久しぶりの感覚にみのりはホッと息をついた。一通り頭と体にお湯を浴びせて、シャンプーに手を伸ばしかけた時だった。
突然浴室のドアが開いて、遼太郎が入ってきた。
「……!?」
思いがけないことに、みのりは固まって言葉も出ず、遼太郎を見つめる。遼太郎も何も言わず、一糸まとわないみのりの体には視線も向けず、シャンプーを手に出して、みのりの髪を洗い始めた。
たしかに、まだ左腕の上げ伸ばしには違和感がある。遼太郎はそれを察してこうしてくれているのだと分かって、みのりの胸がキュンと鳴いた。