Rhapsody in Love 〜幸せの在処〜
その選手たちの中から、みのりは一瞬で遼太郎の姿を探し出した。試合前の練習をしている選手たちの横で、遼太郎が身振り手振りで宇津木に何か説明している。
久しぶりに見る遼太郎のユニフォーム姿に、みのりはキュンと懐かしさを覚えた。しかし、宇津木が10番で遼太郎が12番――。肩を組んで背を向けた二人の背番号が入れ替わっている。
卒業した遼太郎はかつてのポジションを譲り、あくまでも助っ人ということなのだろう。スタンドオフではない遼太郎は少し違和感があったけれど、センターをする遼太郎を見るのも楽しみだった。
「おお!みのりちゃん。久しぶりじゃん!!」
そう声をかけてきた二俣とは、卒業式の時以来会っていない。
「遼ちゃんとは、しょっちゅう会ってるらしいけど。」
みのりが挨拶の言葉を発する前に、二俣がそう付け足したので、みのりは目を丸くして二俣を見つめた。
「しょっちゅうっていうほどは、会ってないけど。」
――遼ちゃんは二俣くんに、どこまで話してるの…!?
とドギマギしながら、二俣の意味深な視線を牽制しつつ、話題を変えることにする。
「…そうだ、二俣くん。これ。おにぎり作ってきたから、試合が終わったらみんなで食べて。」
「お…♡」
単純な二俣は食べ物につられて、途端に顔色をパッと明るくした。