溺愛ドクターは恋情を止められない
小谷先生の車は、ランドローバーだった。
ワイルドな彼によく似合っている。
高いステップを上ると、見晴らしがいい。
だけど、あんな告白をされたあとでは、この空間が窮屈に感じられた。
「あのさ、緊張しないでいいから。同僚と飯食いに行くだけだろ?」
だけどこの世界では、ドクターとナースならまだしも、事務員は別。
「えっと……はい」
やっぱり緊張する私を「真面目だなぁ」と何回も口にしてクスクス笑っている。
それでも、高原先生とも食事に行き、部屋まで行った私には、なにも言えなかった。
彼が車を走らせたのは、郊外のお洒落な洋食屋さんだった。
「ここのデミグラスソースが絶品なんだ」と、私に頼んでくれたビーフシチューは、ほのかに苦みを感じる大人の味。