溺愛ドクターは恋情を止められない
「すみません、私……」
あんな告白をされたせいか、体も心もガチガチだった。
「なに謝ってるの? 今度は松浦の話、聞かせてな」
「はい」
小谷先生に比べたら、なにもない人生だけど、こうして彼と話せるのが楽しかった。
「ここ?」
ナビに登録した私のマンションの前まで来ると、彼が指さす。
「はい。ありがとうございました」
「松浦って、ひとり暮らしなのか?」
「そうです。母はシングルマザーでした。その母も、数年前にガンで。父には、あまり連絡を取っていません」
いつかはバレることだから、正直に話した。
「そう、なのか?」
一瞬驚いたような顔をした彼が、降りようとした私の手を引き留めるから、ハッとする。
「待って。俺、お父さんやお母さんの代わりはできないけど、松浦の寂しさを紛らわせてあげられないかな」
「えっ……」