溺愛ドクターは恋情を止められない
きびきびと治療を続ける高原先生とナースを前に、私にできることはなにもない。
「松浦、この子の名前は?」
「はい。恭平(きょうへい)君です」
「恭平! 頑張れ。必ず助けてやるからな」
高原先生はまるで我が子のように、声をかけ始めた。
きっと助かる。
高原先生が助けてくれる。
そう確信した私は、小さく頭を下げ処置室を出た。
「緊急オペになる。外科系の研修医に誰か来てもらって、他の患者をお願いして」
「はい」
それからしばらくして、オペが決定した。
高原先生は、応援に呼ばれた外科の戸塚先生と共にオペ室に向かう。
恭平君が運ばれていくとすぐに、母親が駆けつけてきた。
「恭平は? 恭平はどこですか?」