溺愛ドクターは恋情を止められない
「うん。うまくいったよ。この間もたついた血管縫合も、きちんとできた」
「おめでとうございます」
深く頭を下げると、高原先生の長い脚が目に入った。
「松浦の励ましのおかけだ」
「いえ。そんなことはありません。先生の努力の成果です」
顔を上げても、彼と目を合わせられない。
「お疲れ様でした」
「なんか、他人行儀だな」
「いえ……」
だって、他人だもの。
「失礼します」
なにを話していいのかわからなくなって、足を踏み出した。
「待って」
それなのに、高原先生は私の腕を握り、引き留める。
彼には酒井先生がいるとわかっているのに、心臓が跳ねる。
「手紙が来たんだ」
「手紙?」
なんの、だろう。
首を傾げると「清春から」と彼は微笑んだ。