溺愛ドクターは恋情を止められない

高原先生は仮眠室に備え付けられている電話に手を伸ばした。

きっと、これは……虐待。

あの、母親の冷静すぎる態度が引っかかっていたけれど、これで納得。


受付に戻って待合室にいる母親に目をやると、病院だというのにひたすらスマホを操っていて、自分の子を心配しているような素振りがない。

スマホの使用を注意しなければと立ち上がると、「松浦」と呼ぶ声が聞こえた。

処置室の奥のドアから顔を出したのは、小谷先生だった。
慌てて処置室に向かうと、小谷先生は高原先生と同じように小声で話し始める。


「高原に呼ばれたんだ。あの子は整形で入院になるから」

「はい」


撮ったばかりのレントゲンが、パソコンに表示されている。
素人目にも、骨折がわかる。
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