溺愛ドクターは恋情を止められない
「よかった、です」
「松浦は、ホントに……」
高原先生は、柔らかい笑顔を私に向ける。
「えっ?」
「さて、他の患者の様子も見てくるか」
彼は休む間もなく、第二処置室に入って行った。
『ホントに』の続きは、なに?
気になったけれど、聞くことはできなかった。
「お疲れ様。松浦さん、大変だったみたいね」
引き継ぎで、加賀さんが労をねぎらってくれる。
「いえ。私はなにもしていませんから」
酒井先生が担当した内科の患者も、ひとまず病棟に引き継がれて、ナースも引き継ぎに入っていた。
高原先生は、次の先生と簡単に引継ぎを済ませると、すぐに病棟に上がって行く。
ドクターは本当に忙しい。
拘束時間は決まっているものの、それだけでは到底足りない。