溺愛ドクターは恋情を止められない
【飯、行かない?】
その日の帰り、小谷先生から最寄り駅の手前でラインを受け取った。
彼は、業務が終了したらしい。
あれからこうして連絡があったのが初めてで、思わず立ち止まってしまった。
【もう、駅なんです】とすぐに返すと、【良かった。セーフ。駅で待ってて、今行くから】と返事。
キッパリ断るいい機会かもしれない。
小谷先生の誠意は十分に伝わってきているけれど、どうしても高原先生を心から追い出せない。
それなのに、いい加減な気持ちで、小谷先生にすがりつくような真似はしたくなかった。
駅でしばらく待っていると、ロータリーに見慣れた車が入ってきた。
「松浦」
窓を開けて私を呼ぶ先生は、手招きする。
「乗って」
「はい」
久しぶりの近い距離に、緊張が走る。