溺愛ドクターは恋情を止められない

「ナースは強いからなぁ」


クスッと笑う小谷先生だけど、少し複雑な気持ちになった。
今まで付き合ってきたナースも、お酒に強かったのかな、なんてふと考えてしまったから。


「ビール?」

「いえ、ジュースで」

「遠慮しなくていいから」


小谷先生はビールを頼んでくれたけれど、ホントは甘いお酒しか飲めない。
だけど、それを言う隙すら与えてもらえなかった。

それからふたりでいくつかの料理を注文すると、すぐに運ばれてきたビールとノンアルコールビールで乾杯する。


「お疲れ」

「お疲れ様です」


ビールをひと口だけ口にすると、ゆっくり味わってしまったせいか、口の中が苦い味に支配され、顔をしかめそうになった。

いつになってもこの味には慣れない。
< 264 / 414 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop