溺愛ドクターは恋情を止められない
「わかった」
それなのに彼は、私のワガママを受け入れ、ナースコールをして薬を持ってくるように指示を出す。
「ごめんなさい。行ってください」
ナースの手まで煩わせて、なんてことを言ったのだろうと後悔し、謝ったけれど、彼は「いいんだ」としか言わない。
すると、すぐにナースが注射を持ってきた。
「ありがとう。しばらくここにいるから、なにかあったら呼んで?」
「はい」
ナースから注射を受け取った彼は、点滴の管から薬剤を入れ始めた。
「気分は悪くない?」
「はい。でも、どうして私……」
「やっぱり、覚えてないか」
注射器を置いた彼は、私の顔を覗き込む。
「松浦は脳震盪を起こしてね、おそらく記憶が飛んでいると思う」
「脳震盪?」
どうして?
それから先生は、私の身に起こったことを説明してくれた。