溺愛ドクターは恋情を止められない
「私……」
この得体のしれない恐怖は、それじゃあ、その時のショック?
「額に傷ができてしまって。できる限り細かく縫っておいたけど、少し傷は残るかもしれない」
彼は申し訳なさそうに顔をしかめる。
「でも、脳外の先生にも診てもらったけど、脳に異常はない。意識がなかなか戻らなかったから、念のためしばらく安静だけど、すぐに復帰できるよ」
復帰できると話しているのに、声が震えているように感じる。
「ごめん。松浦にこんなケガさせちまって」
その時、廊下に吹っ飛んだ高原先生の姿が頭をよぎった。
彼もたしか……。
「先生は、大丈夫なんですか?」
ズキンと頭に痛みが走って顔をゆがめると、心配そうに私の顔を覗き込む。