溺愛ドクターは恋情を止められない
「カルテ整理をしていただけで、夜勤じゃないんだ」
「そうなんですか? それなら尚更……」
忙しい彼が体を休められる大切な時間を、奪ってはいけない。
「帰ったって、心配で眠れない」
胸が、苦しい。
大好きな人に、そんなことを言われて、冷静でいられるわけがない。
思わず彼から視線を逸らした。
高原先生は優しい人だから、私にだけそう言っているわけじゃない。
そう自分に言い聞かせる。
そうでなければ、溢れる気持ちをとどめることができない。
「目を閉じてごらん」
言われるがままに目を閉じたけれど、得体のしれない恐怖に包まれる。
「イヤ……」
「松浦?」
荒ぶる呼吸を落ち着けようと深呼吸を繰り返すと、彼は再びナースコールをして薬を持ってくるように指示した。