溺愛ドクターは恋情を止められない

そこまで話したところで、ナースが再び入ってきた。


「ありがとう」


ナースから睡眠薬を受け取った先生は、投与の準備を始める。


「先生」

「ん?」

「清春君、高原先生に出会えて、きっと幸せだと思います」


同じ痛みがわかる人というのは、一緒にいると心地いい。


「そうだな。ありがとう」


彼の優しい微笑みは、いつもと変わらない。


「だけど、俺も松浦に出会えて、救われた」

「私?」

「あぁ。俺のやり場のない感情を、こんなに敏感に察知してくれるのは、松浦だけだから」


彼は、私なんかよりずっとたくさんの人の死に向き合ってきた。
そのたびに、助けられなかったことに落胆し、それでも次の命こそはと自分を奮い立たせて、頑張ってきたに違いない。
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