溺愛ドクターは恋情を止められない
「なぁ、松浦」
彼は突然真顔になって、私の名を口にした。
「話があったんだろ?」
目が泳ぐ。
一緒に食事に行ったとき、いつにもまして饒舌だった彼は、私に断りの返事をさせない様にしていたのかもしれない。
でも、私の気持ちは変わらない。
「はい」
意を決して話し始めた。
私の心の中には高原先生がいる。
たとえ恋が叶わなくても、それが事実。
「小谷先生に好きだと言っていただけで、とてもうれしかったです。それに、小谷先生の誠意は、十分すぎるほど伝わりました」
彼がすべての女性関係を切ったというのは、きっと本当。
そして、それくらい真剣に私のことを考えてくれたことも。
「だけど、か」
小谷先生は少し困った顔をして、そう口にした。
「はい。ごめんなさい」
「そっか。そうだよな」