溺愛ドクターは恋情を止められない
「松浦のおかげだ」
先生達は私のおかげと言うけれど、そんなことはまったくない。
私の存在なんて、ちっぽけなもの。
小さく首を振って見せると、彼はなにかを思い出したかのようにクスッと笑う。
「実は昨日の事件の後、夜勤のナースにぶちまけたんだ」
「なに、を?」
「松浦にアタックしたら、サクッとフラれたって」
そんなこと、わざわざ公表したの?
しかも、私が断りを入れる前に?
だけど、気がついた。
あの騒ぎで、私が小谷先生と一緒にいたことはバレてしまった。
そうすると、私が彼女から先生を奪ったという噂が、ますます信憑性を帯びてしまう。
彼はそれを阻止しようとしてくれたに違いない。
「『そりゃそうですよ。タラシは卒業してください』って主任にはっきり言われて……きつかったなぁ」