溺愛ドクターは恋情を止められない

クスクス笑う彼は、「女は強い」とつぶやく。


「だから、タラシは卒業します!」


私に改めて宣言する先生は、敬礼して見せる。


「先生……」


泣きそうだった。
こんなに私のことを思ってくれる人がいるのは、幸せなことだから。


「まぁ、しばらくはおとなしく、黙々と仕事に励むよ。だけど何年かして、その時もし松浦がフリーだったら、今度はグイグイ攻め込むから」

「攻め込むって……」


小谷先生はクスッと笑みを漏らすと、「ゆっくり休んで。怖くなったら呼ぶんだぞ。飛んでくるからな」と囁いた。


先生達の優しさに触れると、かえって涙が出てきてしまう。
早く治して元気にならなくちゃ。


「はい」


微笑んでみせると、彼はうなずいて病室を出ていった。
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