溺愛ドクターは恋情を止められない
彼は、私の額のガーゼを取り、傷を確認する。
「退院の時、被覆材を渡すから、それを貼ればシャワーなら入っていい」
「はい」
昨日体は拭いてもらったけれど、やっぱりさっぱりしたい。
「だけど、やっぱりひとりは心配だ……」
彼は昨日から盛んにそう言い続けている。
それくらい脳はデリケートなもの。
脳震盪のダメージが残っている状態で、二度目の脳震盪を起こす「セカンドインパクトシンドローム」は、死に至ることもあるという。
激しいスポーツをしているわけでもない私が、二度目を起こす可能性は低いけれど、脳内出血は、最初確認できなくても、じわじわと進行することもあるようだ。
だからといって、今は症状のない私が、入院を続けることはできない。