溺愛ドクターは恋情を止められない

「でも忙しいのに……」

「心配で治療に専念できない。松浦が約束してくれれば頑張るさ。あー、でも酒は買っていかないぞ?」


そう言って、クスクス笑ってみせる彼の温かさに、胸が熱くなる。


「ありがとうございます」


酒井先生のことは気になったけれど、電話くらい許されるだろうか。
本当は、母のように倒れたら……という不安でいっぱいだった。



「お世話になりました」


次の日、私は退院した。

ナースステーションにお礼を言いに行ったけど、いたのはナースがふたりだけ。
皆忙しいのだ。


「松浦さん、おめでとうございます。あっ、高原先生が退院の時は声をかけてくれと言ってましたので……」


ナースは電話で高原先生を呼び出している。
すると彼はすぐにやって来た。
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