溺愛ドクターは恋情を止められない
「仕方ない」
スマホをポケットにしまうと、小谷先生は気持ちを切り替える様に「行ってくる」とつぶやく。
「はい。お気をつけて」
小谷先生は私ににっこり微笑むと、今度は高原先生の方を向く。
そして……。
「高原、俺も一応諦めてないから」
「わかってるよ」
ふたりがなにを話しているのかよくわからない。
「じゃあ、またな」
「はい」
小谷先生は、私に手を挙げ、病院に向かった。
「元気そうだな」
改めて私の顔を見てつぶやく高原先生は、優しく微笑む。
「わざわざ来てくださったんですか?」
「昨日、来られなかったから」
昨日の朝からつい今しがたまで、ずっと働きっぱなしだったのに。
「すみません」
「いや、俺が勝手に来ただけだろう?」