溺愛ドクターは恋情を止められない
クスクス笑う先生は「小谷になにもらったんだ?」と私の持っていた袋を覗いた。
「ケーキです」
「まったく、アイツは女心がわかってやがる」
という先生も、袋を下げている。
「でも俺はこれ」
私に渡してくれた袋には、お弁当と、チョコレート。
「先生、ありがとうございます」
ケーキもうれしいけれど、お弁当もうれしい。
冷蔵庫の中にはもうなにもない。
「でも、そっちは?」
彼はもうひとつ袋を下げている。
「こっちは俺の弁当。食べ損ねてばかりで腹減ったから」
「あっ、あのっ……」
ドキドキする胸に手を当てながら、勇気を振り絞る。
「もしよければ、一緒に食べてくれませんか?」
部屋に誘うなんて、大胆だったかもしれない。
だけど、もう少しだけ彼と一緒にいたい。