溺愛ドクターは恋情を止められない

彼の大きな手が私の後頭部に回り、一層強く抱き寄せられる。


「会うたびに、都への気持ちが大きくなって……清春と一緒に公園に行ってからは、都のことばかり考えるようになって……」


それは私も同じ。
毎日、気がつけば彼のことばかり考えていた。

そこまで話したところで、彼は手の力を緩め、私の目を真っ直ぐに見つめる。
そして、いつものキリリとした顔に戻った。


「酒井は――」


ビクッと体が震える。
聞きたいような聞きたくないような、複雑な思いが頭の中を駆け巡る。


「実は小柴部長の娘で……」

「えっ……」


そんなこと、知らなかった。
でも、名字が違う……。


「部長、仕事が忙しすぎて離婚してるんだ」


その一言で、ひとつの疑問は解決した。
でも……。
< 314 / 414 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop