溺愛ドクターは恋情を止められない
彼の大きな手が私の後頭部に回り、一層強く抱き寄せられる。
「会うたびに、都への気持ちが大きくなって……清春と一緒に公園に行ってからは、都のことばかり考えるようになって……」
それは私も同じ。
毎日、気がつけば彼のことばかり考えていた。
そこまで話したところで、彼は手の力を緩め、私の目を真っ直ぐに見つめる。
そして、いつものキリリとした顔に戻った。
「酒井は――」
ビクッと体が震える。
聞きたいような聞きたくないような、複雑な思いが頭の中を駆け巡る。
「実は小柴部長の娘で……」
「えっ……」
そんなこと、知らなかった。
でも、名字が違う……。
「部長、仕事が忙しすぎて離婚してるんだ」
その一言で、ひとつの疑問は解決した。
でも……。