溺愛ドクターは恋情を止められない
私が小さくうなずくと「いい男、捕まえたね」と、院長はクスッと笑みを漏らす。
どういうことだろう。
緊張して喉がカラカラだというのに、院長はずっと柔らかい雰囲気を醸し出している。
「なにがあっても、高原君についていく覚悟はあるかい?」
「はい」
ふたつ返事だった。
隣の奏多さんがハッとした顔で私を見つめたけれど、院長は満足そうにうなずいた。
「私は少々ロマンチストでね。運命っていうやつを信じてるんだ」
突然関係のないことを話し始めた院長は、「ただ、試練というものはつきものだ」とつぶやきながら、奏多さんの前に書類を差し出した。
「高原君は、覚悟があって、彼女の手を取ったんだろう?」
「はい」
なにが起こるの?
膝の上の手をギュッと握りしめ、俯く。