溺愛ドクターは恋情を止められない
緊張で体が震える。
「地方の診療所の医師として、勤務してもらう」
えっ……。
それは、奏多さんに野上を去れと言っているの?
「待ってください!」
慌てて声をあげたけれど、奏多さんに手で制されてしまった。
「当然、オペのできる設備はない。内科業務が中心になる」
そんな……。
心臓血管外科を目指してひたすら腕を磨いてきた彼に、そんな環境は酷だとしか言いようがない。
だけど、隣の奏多さんは平然とした顔をして、うなずいている。
「わかりました」
淡々と進む会話についていけないのは、私だけなのだろうか。
「ただし」
再び院長が口を開くから、ビクッと体を震わせる。
「二年間のレンタルだ」
「レンタル、と言いますと?」
奏多さんが不思議そうに尋ねる。