溺愛ドクターは恋情を止められない
「彼女には、もっと早く別れを告げるべきでした。私が小柴部長に師事して学びたいという欲を出したばかりに、彼女の大切な時間を犠牲にしてしまいました」
彼が以前に言っていた『どうしても捨てられないもの』というのは、きっとこのことだろう。
日本では第一人者と言われる小柴部長について学べるのは、きっと奏多さんにとってそれだけ意味のあることだったに違いない。
まして、自分の命を救ってくれた人なのだから。
「そうだね。年頃の女性にとっては、三年は少々長すぎた」
「はい」
きっと酒井先生なら、いくらでも別の男性がいただろう。
それでも、奏多さんを信じ、三年間も待ち続けていたのだとしたら、そう言われても仕方がないのかもしれない。