溺愛ドクターは恋情を止められない

院長の下した判断には、愛が詰まっていた。

それでも、奏多さんにとっては過酷な試練。
そして、こんな事態を招いたのは、私。


「院長、ありがとうございます。ご期待に沿えるよう、努力いたします」

「あぁ、期待している。あとは彼女と相談しなさい」

「はい」


奏多さんは院長から視線を逸らすことなく、きっぱりと返事をした。


「松浦君」

「はい」


院長は突然私の名を口にした。


「あなたはこの件で心を痛めるかもしれません。でも、運命というものからは、逃れられないものですよ? ロマンチストな私からの、アドバイスです」


院長の優しい笑みが、かえって私を苦しめる。


私がここを去れば、丸く収まるのではないかと考えていた。
酒井先生の怒りの矛先は、私なのだから。


それなのに、奏多さんが……。
< 340 / 414 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop