溺愛ドクターは恋情を止められない
院長の下した判断には、愛が詰まっていた。
それでも、奏多さんにとっては過酷な試練。
そして、こんな事態を招いたのは、私。
「院長、ありがとうございます。ご期待に沿えるよう、努力いたします」
「あぁ、期待している。あとは彼女と相談しなさい」
「はい」
奏多さんは院長から視線を逸らすことなく、きっぱりと返事をした。
「松浦君」
「はい」
院長は突然私の名を口にした。
「あなたはこの件で心を痛めるかもしれません。でも、運命というものからは、逃れられないものですよ? ロマンチストな私からの、アドバイスです」
院長の優しい笑みが、かえって私を苦しめる。
私がここを去れば、丸く収まるのではないかと考えていた。
酒井先生の怒りの矛先は、私なのだから。
それなのに、奏多さんが……。