溺愛ドクターは恋情を止められない
「でも、悲しい感情を全部受けとめそうな松浦が、心配だ。少しは気を抜け」
「……はい」
だけど、どうやって目の前の人の死を受け止めたらいいのか、本当はわからない。
「といっても、できないか」
「えっ?」
「それが松浦なんだろうな」
高原先生と交わした言葉は、まだ数少ない。
それなのに、ここまで理解してくれるとは思ってもいなかった。
「だけど、いつでもここ、貸してやるから、我慢するなよ」
胸を叩く先生は、優しく微笑みながら私の頭をクシャッと撫でた。
冷たく凍りそうだった心を温めてくれる彼の言葉は、今の私にはなによりも必要なものだった。
「さて、飲むぞ!」
コーラのくせに、飲む気満々な彼に、思わず笑みがこぼれる。
だけど、私の気持ちを持ち上げようとしてくれているのがわかって、部屋に戻ってグラスに手を伸ばした。