溺愛ドクターは恋情を止められない
私に覆いかぶさるような形になっている彼は、真剣な瞳で私を見下ろす。
途端に胸をわしづかみにされたように苦しくなってしまった。


「こうやって、男に襲われちまう。いいか、絶対に外では飲むな」


唖然としながらも小さくうなずくと、彼は手を離してくれた。
ショックで目尻からポロリと涙がこぼれると、それに気がついた彼が手で拭ってくれる。


「怖がらせてごめん。でも、松浦が煽るから悪いんだぞ」

「ごめんなさい。もう飲みません」


一瞬にして酔いがさめると、自分のしたことが恥ずかしくなる。


「飲むのは構わない。だけど、他の男とふたりきりで飲むんじゃないぞ」


怒っているのかと思ったのに、涙を拭う彼の手はとても優しかった。


「はい」

「素直でよろしい。もう今日はこのまま寝ろ。そばにいてやるから」


それから記憶がプッツリ途切れた。

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