溺愛ドクターは恋情を止められない
結局なにも思い出せず、重い気持ちを引きずったまま、きちんとたたまれてあった自分の服に着替えると、部屋を出て鍵をポストに放り込んだ。
「はぁ……」
「なに、都。月曜からため息?」
更衣室で出くわした那美が、私の顔を覗き込む。
「いや、なんでもないよ」
まさか、あの日の失態を言ったりできない。
昨日は日曜で私はお休み。
高原先生とはあれから会っていないし、メールも怖くてできなかった。
会って、真相を確かめたいような、確かめたくないような。
「そう? なんか顔色悪いよ?」
「平気よ、平気。さて、今日も頑張ろう」
なんとか那美の追撃をかわして、更衣室を出る。
救急は更衣室から遠く新館にあるため、長い渡り廊下を通らなくてはならない。
まだ朝早くて患者は少ないけれど、先生達には何人もすれ違った。
新館には外科系の病棟がある。