溺愛ドクターは恋情を止められない
「それじゃあ、外来だから。あ、松浦。お前、顔赤いぞ」
私を茶化す高原先生は、小さく手を挙げて再び歩き出した。
もしかして私、面白がられてる?
「いけない、遅刻する」
今は気持ちを切り替えて、仕事に集中だ。
「都、おはよ」
救急外来に行くと、ほぼ毎日顔を合わせて仲良くなった、看護師の内藤 (ないとう)さんがカルテチェックをしていた。
彼女は二年前からこの病院に勤めていて、なかなかの情報通。
知らないことをいろいろ教えてもらっている。
「おはようございます」
「今日は、小谷先生と、酒井先生かぁ」
救急の担当医は外科系と内科系のひとりずつと決まっている。
「酒井先生にお会いするの初めてです、私」
女医だということだけは聞いているけれど。