溺愛ドクターは恋情を止められない
それから「時間、あるのか?」と私に聞く彼は、もう一度カフェオレを淹れてくれた。
今度は先生も同じ、カフェオレだった。
そして、「なにもないけど」と私に差し出したのは、小さな箱に入ったチョコレート。
「松浦って、甘いもの好きそうだな」
「えっ、なんでわかったんですか? あっ、体型?」
「あはは、松浦は痩せすぎだろ」
そんなくだらない会話も、心安らぐ。
母を亡くした後、こんな風に誰かと笑いあったことがあっただろうか。
専門学校に、何人も友達がいたし、那美も大切な友達。
そんな彼女達にも、ずっと苦しい胸の内を洗いざらい話すことができなかった。
だけど、どうしてだか、無性に彼に聞いてもらいたい。