手紙~大切なひとへ~
幼い頃…


仲良しだった…大好きなミキチャンに仲間割れにされた…ママ聞いて、アタシは悪くないんだょ。家の鍵を開け、暗い部屋の中、独り、泣いた……8才…


小犬を拾った…『レイ』と名前を付けた…アタシとおんなじ名前…でも、ママは犬が嫌い。ダンボールのふたを固く固くふさいで独り、走り去った…9才…

怖い夢を見た…海に流れ着いて、暗闇の中、失くなる夢…震えながら、朝を待った…10才…


『痛い、痛いは、病院でたくさんよ』って、ママの口癖…チクチクお腹が痛かった…保健体育で、津田先生が、『初潮は、おめでたいから、お母さんにお赤飯を炊いてもらうのよ』ッて言ってた…独り…コンビニでナプキンを買った…11才…


最後の学習発表会…ピアノを弾いた…ママ、聞いて、ちゃんと聞いて……独り、思い叫んだ…12才…



独りだったの…
どんな時も独りだった…
ママは忙しいから、心配かけちゃいけないッて、ずっと我慢してきたの…


< 2 / 12 >

この作品をシェア

pagetop