手紙~大切なひとへ~
祐チャン…

あなたは、シンナーに侵された…


アタシは知らなかった

アタシの前では、見せた事がなかった…だから気付かなかった…というより、アタシはホントに子供だったよ…自分の淋しさばかりを祐チャンにぶつけてた。だから、祐チャン、逃げた。


祐チャン…

祐チャンのママは、祐チャンが小さい頃に、子供を捨てた…

だから、本当のママが居るッてだけでも幸せなんだぞって、よく言ってたね。

祐チャンのパパは、すぐに新しいママを連れて来た…

そしてずっといじめられた…

だから、本当のママにたたかれないッてだけ幸せなんだぞって、よく言ってたね。

誰よりも淋しかったはず…

ずっと我慢してたのは祐チャン…

祐チャンは、パパと新しいママに子供ができて弟が産まれて、本当に嬉しかったと教えてくれた事があった。かわいかったと…。ケド、いつの間にか、その弟までも嫌いになったと教えてくれた事があった。

祐チャンは、中学を出てすぐに働いてたね。
だから、2つしか違わないのに、妙に生意気そうで、大人げで、何でもよく知っていた。

いつか、結婚したら、子供は5人作ろう。貧乏でも笑い合える家族っていいな…なんてよく言ってたね。

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