空色canvas
「………!」
だけど…
今、俺の目の前にある大きなキャンバスからは目が離せなかった。
青い…青い空……
透き通ったその色合いに今にも引き込まれそうだ。
そしてふんわりと浮かぶ真っ白な雲。
どこまでも乗って行けそうな気分になる。
胸がふわっと温かくなり、目尻が熱くなった。
泣きそうになる。
いや、俺は彼女にバレないように一粒涙を流した…。
こんな感情初めてだ。
絵を見てこんなにも心揺さぶられるなんて…
「これ…君が描いたの?」
まだ腕に彼女の温もりを感じながら目はキャンバスから離せない。
「うん!まだ途中なの…」
そう言うと彼女は俺の手を放し、筆を取った。