空色canvas
「俺は榛真。笹木榛真だよ…」
俺の声に彼女はゆっくりと顔を上げた。
「ハ…ル……マ?」
「そう…ちなみに俺は20歳。君より10コ年上…」
どうして彼女の話に合わせたのか自分でも分からない。
だけど俺がそう言って微笑むと彼女もまた笑顔を見せた。
「ハルマ……ハ…ル……ハル!」
「…ん?」
「ハル!ハルだね!」
子どものように透き通った瞳で俺の名を呼ぶ。
ハル…
ハル…
ハル…
あの日が懐かしい。
時間が戻ることは二度とないけれど。
もう一度、君の声で呼ばれたかった…。