こんな私、私じゃない。でも私・・・
「たまには違うお店でデートしたら?」

と、ショーリさんに言われるくらい新城さんと私は何度もここ「Sieg Mond」に来ていた。

「売上に貢献してるのに言われる筋合いないけど?」

「それはありがたいけど、美沙ちゃんをたまには違うお店に連れて行ってあげたら?」

「いやいや、別のお店にも行ってるから・・・」

ここに来る以外にも金曜日は居酒屋で水曜日か木曜日ならファミレスとかお酒を飲まない和食屋さんとか時間をあまりかけないところに行っている。お互いに気を遣わないのでご飯を食べることに対してお洒落なところではなくても問題ない。

「付き合ってるの?」

「そういうんじゃない」

「ふーん・・・タクにしては珍しいね。女友達なんて作るタイプじゃないのに」

女友達・・・

私は女友達?

そっか、そういうことか。

「社内のオンナに手を出すほど、困ってない」

と、少しくらいの気持ちがあったりするのかと思っていたものの私の全ての考えを打ち砕く。

そうだよね・・・期待した私がバカだった。

急に黙り込んでしまった私。

「どうした?調子悪い?」

ほらっこんな優しい言葉を掛けてもらったりして、私は嬉しくなるんだ。

あーあ・・・少し気になる男とか尊敬できる男とかでいた方がよかったのか。

こんなにどうしようもない気持ちを私だけが持っている。

新城さんは私に対して食事を一緒に共にする相手くらいしか思ってない。

今日は飲もう。

そう思った私は飲んで飲んで飲みまくった。

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