こんな私、私じゃない。でも私・・・
「だから・・・一緒に暮らそう・・・」

もう一度そう言うとすぐるは私の顔を見た。

「美沙はどう思う?」

どう思うって・・・

「すぐるがこの一週間私に優しくて甘くて・・・」

「イヤだった?」

首を横に振った。

イヤなわけじゃない。

でもすぐるが優しくて甘くて戸惑ったのは確か。

「いくらでも甘えていい」

そんな言葉が耳元で聞こえた。

「すぐるってそんなこと絶対言わないタイプだよね?」

私はすぐるの顔を見つめてしまった。

嬉しいのは正直嬉しい。

でも甘すぎて怖いくらい。

「こんな俺、俺じゃない。って思うよ。でも美沙に対しては甘えてほしいって思う」

こんな俺、俺じゃない。って私が思ってることと一緒過ぎて微笑んだ。

「なに?」

私の微笑みにすぐるは少し不信に思ったようだ。

「ねぇ、すぐる?」

私たちはお互いにそう思える相手に出会えたのかも・・・

「ん?」

「私もこんな私、私じゃない。って思うの。今まで甘えるのも好きじゃなかったし、でもね、すぐると一緒にいると違った自分に会えるみたいである意味楽しい」

そう言ってすぐるに抱きついた。

「いつもここに帰って来ます」

一緒に住むことへの了承の言葉。

その言葉にすぐるがぎゅっと抱きしめて、優しいキスを、誓いのキスのような触れるだけのキスをくれた。
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