こんな私、私じゃない。でも私・・・
「お連れ様いらっしゃいました」

と、ウエイターの声と共に弘樹が入って来た。

「美沙姉」

姉である私が言うのも可笑しいけど、割りとカッコイイ分類に入るだろう弟がそこにいた。

私の向かいに座った弘樹をすぐるに紹介しようとすると、

「弟の弘樹です。今日は突然すみません」

弘樹がすぐるに挨拶をした。

「いえ、新城です。初めまして・・・」

私の入る隙はなく二人で挨拶が交わされる。

「初めまして、うわぁ~イケメンですね。美沙姉にはもったいない」

と、弟らしい姉に対する落とし方。

「ちょっと弘樹・・・」

自分でもそう思ってるから遠慮がちに言ってみた。

「いやいや、美沙は俺にはもったいないよ」

隣ですぐるが弘樹にいつもと変わらない口調で言ったので、思わず顔を見てしまった。

そんなふうに思ってる?

いやいや、思ってるわけない。

「弟に対する気遣いはいらないですよ」

そう言いながらおしぼりを持って来たウエイターから受け取り手早く拭くと、メニューを取ってすぐるに聞いた。

「何飲まれますか?」

「ビール?」

すぐるにメニューを見てもらう。

「そうだな、最初はビールだな」

メニューを見てそれぞれ飲み物と食べたいものを選んで注文した。
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