こんな私、私じゃない。でも私・・・
「次、何飲む?」

言いたい言葉はたくさんあるけど、弘樹がいるし今のところは何も言わないでおこう。

「じゃおかわり」

空になったグラスを私に渡しながら目は逸らしていた。

そんなすぐるが可愛いと思ってしまった。

「弘樹はまだいい?」

弘樹のグラスにはまだ半分ほどビールが入っていた。

「俺もおかわり」

そう言うと残っていたビールを飲み干した。

ちょうどウエイターが「お飲み物いかがですか?」と、来てくれたのでビールを3つ頼み、運ばれていた食事に箸を伸ばす。

「美沙姉は誘われた時に新城さんをどう思ってたの?」

それ聞くんだ・・・

「俺も聞きたい」

弘樹に続いてすぐるまでもが聞いてきた。

「言わなきゃダメ?」

二人が何も言わずに頷いた。

「いい男は結婚してるか、彼女持ちって思ってた」

例え『気になる男』と思っていてもどうこうしようなんて思ってなかった。

「いい男とは思ってたんだ?」

弘樹がより深く聞き出そうとする。

「会社にそう思う相手がいるかどうかって重要だったりする」

すぐるがいつから私を見ててくれたのかを知るまでは『気になる男』って思っていたことを言わないでおきたい。

「へぇ~じゃ美沙は俺じゃなくても良かったんだ。木田とか他の奴らから誘われててもご飯行ったんだ?」

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