こんな私、私じゃない。でも私・・・
「早川は?」

新城さんがエントランスを通りながら聞いた。

「先に駐車場にいるよ。私は忘れ物したの」

緒方さんは紙袋を持っていたがバッグは持っていなかった。

「じゃ先にどうぞ、早川に会いたくない」

「そう?じゃまたね」

そう言うとマンションの出入口の自動ドアを出ていった。

「よかったよ。一人で帰さずに」

と、新城さんは私を見下ろしそう言った。私一人で帰って会っていたらめんどくさいことになる。ってことらしい。

酔った私を連れてきただけだから、そうなるよね。

「早川夫婦はここの6階に住んでる。元々、早川の家だったんだけど」

なるほど、結婚して一緒に住んでるんだ。

あっじゃ私は一人で帰った方がいいのかな?

「じゃ私、一人で帰りますね」

と、時間待ちでまだエントランスにいたので、頭を下げてそう伝えた。

「なんで?」

「なんでって、もう緒方さんに会ったから」

「気を遣うな。送ってやるって言ったのは俺だから」

「気を遣っているのは新城さんじゃないんですか?」

「俺が?なんで?」

「なんとなく・・・」

「気なんか遣うかよ」

そう言うと新城さんは自動ドアに向かって歩いた。

「行くぞ」

私は新城さんの後ろついて歩いた。

その後、新城さんは家まで送ってくれた。


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