こんな私、私じゃない。でも私・・・
「すぐるが出来なかったの?」

「俺だけじゃなくて、二人の友達と一緒にね。意地っ張りな二人を何とかしたってとこかな」

すぐるが少なからず関わってるんだ。

もしかしたら、マンションに住んでって言うのもその辺に理由があるのかもしれない。

「お姉さんは仕事の都合って言うのは転勤とかなの?」

「まっ、そんな感じ?」

なんか奥歯に物が挟まったような物言い。

なんだろう?

「お姉さんは何をされてるの?」

一人で3LDKのマンションを買おうとしているんだからある程度の収入はあるのはわかってるけど・・・

「車のディーラー・・・販売店で働いてる」

「そうなんだ。営業されてるの?アシスタント?」

「バリバリの営業。好きを仕事にした人」

「車好き?」

「男の俺よりもね。昔はよくレース見に連れていかれた」

「そうなんだ。そっか・・・あのね、すぐる・・・」

新築のマンションに住むのは躊躇いがある。

「美沙が躊躇ってるなら無理強いしない。でもここにはすぐに引越してきて」

私が言おうとしていることがわかったようだ。

「うん。じゃ週末に手伝ってくれる?」

その時に仕分けしてここに引越して来よう。

「了解」
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