こんな私、私じゃない。でも私・・・
すぐるは私の肩を抱き寄せて髪に触れながら、顔が近づいてきた。

「離さないから」

どうしようもないくらいきゅんとした。

私は瞳を閉じる。

優しいキスが落ちてくる。

すぐる・・・・・・

「仕事これからもっと大変になると思うけど、頑張れよ」

唇が離れてぎゅっと抱きしめられた。

「うん、頑張る。ありがとう」

私がそう言うと手を緩めてまたキスが落ちてきた。

キスだけで・・・

「ベッド行く?」

そんなこと聞くのイジワル・・・

「ズルい」

「何がズルい?」

すぐるの唇が首筋を這っていく。

「俺はここでもいいけど?」

何も言えなくなった私にどんどん仕掛けてくる。

「美沙」

すぐるは私を抱きかかえて膝にまたがらせた。

「めちゃくちゃ恥ずかしい」

向き合っているのが恥ずかしくて俯いてしまった。

「俺を見て」

すぐるの声に少しずつ顔を上げる。

すぐると目が合うと優しい顔で私を見ていてくれた。

「美沙・・・」

そのままの体勢でぎゅっと強く抱きしめられた。

すぐるは私をよく抱きしめてくれる。

言葉にしたことはないけど、ホントに安心する。

力が抜けてしまうような感覚。

私は首に手をまわした。
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