こんな私、私じゃない。でも私・・・
「すぐる・・・」

心の中で「大好き」って呟いて、すぐるにぎゅっと抱きついた。

すぐるがフッと笑ってもっとぎゅっと抱きしめ返してくれる。

「・・・一緒に住むの楽しみにしてるから・・・」

心の中で呟いた「大好き」が伝わったような気がする。

「私も」

お互いに手を少し緩める。

そして、優しいキス。

唇から頬、耳を甘噛みする。

力が抜けていたのにすぐるの動きに耐えられず力が入る。

「これ以上は何もしない」

すぐるはゆっくり唇を離した。

そう言われたことに少し寂しいって思ったことは黙っておこう。

「そんな残念そうな顔するなよ。後でたっぷり堪能するから・・・」

バレてる、それはそれで恥ずかしい。

「明日も仕事」

「そんなのわかってる」

もう一度キスをして、チュッとリップ音。

それを合図のようにすぐるの膝の上から下り、すぐるの隣に座った。

「週末引越して、次の週あたりに姉貴の予定を確認するから会ってね」

そうだ、お姉さんに会う約束をしていた。

「うん、わかった」

うわぁ~なんか緊張するな・・・

「平日の夜になると思う。場所は姉貴が決めるだろうからどこになるかはわからないけど・・・」

車の営業さんだから土日は忙しそう。

< 168 / 214 >

この作品をシェア

pagetop