こんな私、私じゃない。でも私・・・
「美沙、起きれる?」

目を覚ましたのは優しいすぐるの声だった。

眠い目をこすりながら目の前にすぐるの顔があった。

「あっおはよう・・・」

昨日の夜を思い出して恥ずかしくて俯いてしまった。

私の反応に髪をくしゃとして、顔を近づけて頬に唇が触れた。

もうそんなことしたら、余計思い出してカラダが熱くなる。

「シャワー浴びておいで。さましておいでね」

目を覚ますのか、体を冷ますのか、すぐるはどっちを言ったのだろう?

「ありがとう。あっすぐる・・・」

「どうした?」

部屋を出ようと歩き出したすぐるを呼び止めた。

「・・・・・・」

何を言おうと呼び止めたのか・・・

自分でもわからない。

でもなんかまだ行かないでほしかった。

フッと一瞬笑ったのにその後はニヤリとした顔をした。

「なんだよ。十分にゆっくりシャワーを浴びれる時間だったのに、必要ないんだ」

そう言うと近づいてきたすぐるはベッドに座りまだ横になっていた私の上に体を預けた。

「ちょ、ちょっとすぐる?」

「足りないなら足りないって言ってくれないとわからないよ」

私の首筋に唇が這う。

何も身に着けていない私。

すぐるの手が私の二の腕に触れる。

「・・・すっ、すぐる・・・っやっ・・・・」

どんどん熱を帯びていくカラダ。

このままじゃマズい。
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